(1701) 滅菌ラップの包装時間に関する調査 連続包装、2重包装、スマートフォールドの比較

◯久保木 修1, 高橋 典子2, 今園 千十世3, 森下 由美4, 清本 陽子5, 山内 薫6


1京滋滅菌業務研究会, 2大阪医科大学附属病院, 3医療法人仙養会 北摂総合病院, 4国家公務員共済組合連合会 舞鶴共済病院, 5京都社会事業財団 京都桂病院, 6京都府立医科大学附属


 滅菌ラップ(以下、ラップ)は、コンテナに収納できない大型器材や滅菌バッグのサイズや規定を超えた器材や展開時に無菌エリアが必要な場面で使用される。ラップはコンテナやバッグに比べ包装技術が必要になると同時に包装する対象物によって時間を要することがある。医療現場で調査すると人工股関節では10ケース(バックアップを含めると15ケース)になり、脊椎手術ではインプラントを含めると17ケースになることもある。ラップの包装方法は、破れによる滅菌破綻を防止するために2重包装がAORNで推奨され、1枚のラップを2回包装する「連続包装」や2枚重ねのラップを1回で包装する「2重同時包装」がある。

 16名の従事者にケース(W592/D285/H153)を包装(121×121、封筒折り、テーピングは含まない)した結果では、連続包装の平均時間は1分27秒(最大2分57秒)、2重同時包装の平均時間は42秒(最大1分25秒)であり、連続包装に比べ2重同時包装は51%減少していることが確認できた。スマートフォールド(以下、S-F)で同条件の包装を行ったところ平均時間は27秒(最大58秒)となった。連続包装との比較では68%、2重同時包装からは34%減少していた。なお、最大時間は部門で従事しているがラップは初体験の対象者である。定価は1枚ラップが265円、2枚重ねが560円、S-Fが730円であり1枚から2~3倍増加している。しかし、包装時間は縮減し生産性は向上することから、生産性や人件費などを考慮して費用算出を行うことも重要と考える。今後、人の採用がこれまで以上に困難となる事が予測される。これまでのサービス提供を維持することが困難になることも十分に考えられる。生産性も評価し負担となっている業務を様々な方法で見直すことも重要と思う。





 
(1702) A病院における第1滅菌技師の活動報告

◯岩崎 美香1, 深谷 賢司1, 衣川 あおい1, 谷中 理子1, 岩崎 有沙1, 神田 美紀1, 久保木 修2


1医療法人綾冨士会綾部ルネス病院, 2京滋滅菌業務研究会


 当院の滅菌材料室は手術室看護師(ORN)が主体で運用してきた。手術件数の増加に伴いORNは多忙を極め滅菌材料室の業務は現状を維持するのが精一杯であった。2018年6月から第1滅菌技師が赴任し業務を通して適正運用に向け取り組んだことを報告する。

 滅菌保証は患者安全に関わる重要な部分となるためガイドラインに記載している勧告Aについては副院長や看護部長に相談しながら優先順位を検討しながら導入に至った。保有している装置の日常点検や毎日のBDテストを確実に行うためには時間の捻出も必要になるため業務のスリム化や再構築も図った。

 滅菌保証を実践するためには、費用の捻出や周囲の理解や協力は不可欠である。これまで費用を必要としない部分に投資することためには根拠が必要になるが管理者が理解を示し後押ししてくれたことからスムーズに課題解決が図れた。

 滅菌保証の教育については、地域滅菌研究会の基礎講座に参加し報告を兼ねてテキストを関係部門に配布したり、密接な関係があるORNにはガイドラインの解説を行い業務の標準化を図った。さらに外部講師を招聘してセミナーや現場で意見交換等を実践し知識の更新や課題解決に取り組むことができた。

 滅菌保証については診療報酬に直結しないが患者安全には欠かせない重要な部分である。それを実践するためには管理者や現場の医療従事者の理解は欠かせない。最後に副院長から「滅菌技師という資格でチーム医療の一員として貢献して欲しい」と期待を寄せられた。これまで従事していた環境とは異なり現場からの信頼や期待を感じることができる。

 滅菌保証という重い責務を全うできるようにコミュニケーションを図りながら取り組んで行きたい。